アライグマ備忘録

アライグマに関するメモです.コメントとかで議論出来ても面白いかもね.アライグマについて詳しく知りたいな~っていう人向けです.

【実録】アライグマ来てる!?餌トラップ法

「ここにはアライグマ来ているのかな...?」

 

アライグマ防除の現場で最も初歩的で根源的なこの疑問に答える方法を環境省が示した.

それが...餌トラップ法である!!

環境省近畿地方環境事務所(2008)近畿地方アライグマ防除の手引き;20-22
https://www.env.go.jp/nature/intro/3control/files/racoon_kinki.pdf

 

環境省中国四国地方環境事務所(2015)平成26年度中国地方におけるアライグマ等防除モデル事業第2編[現地活動編];1-5
https://www.env.go.jp/nature/intro/3control/files/racoon_chushi_03.pdf

 

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図1. 餌トラップ法

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目次

1. 餌トラップ法とは

2. 実践!!

 

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1. 餌トラップ法とは

 

餌トラップ法とは,簡単に言うと

「筒の中に設置した餌がなくなるかどうかで訪問の有無を確かめる」

という手法である.


被害や目撃以外でアライグマの侵入の有無を確認する代表的な手法としてはセンサーカメラや爪痕調査があげられる.爪痕調査とは寺社仏閣の柱に残ったアライグマの爪痕を確認する手法である.アライグマは5本の爪痕を残すので,その寺社仏閣に訪問があったのか,訪問があったとはいえないのかがわかる.

cf. アライグマ爪痕調査(2021.4.25.)

satoyaman-raccoon.hatenablog.com

cf.関西野生生物研究所HP
http://www.kansaiwildlife.com/racoon/index.html#file

 

しかし,センサーカメラはコストが高く(1台数万×たくさん),爪痕調査は訪問の時期がわからないという欠点がある.すなわち,その地域に「今」いるのか否かはわからない.

一方,今回紹介する餌トラップ法とは,簡単に言うと

「筒の中に設置した餌がなくなるかどうかで訪問を確かめる」

という手法.ペットボトルや塩ビ管を使用する.作り方は上記環境省地方環境事務所の資料にあるから是非閲覧してほしい.

 

先述の手法に比べて以下の特徴があげられる.
・安価(1個数十円)=大量にかけられる
・訪問日をある程度推定できる(日-週単位)
という利点を持っている.例えば1週間設置して餌がなくなっていれば,1週間以内に訪問があった=現在でも使っているということがわかる.

 

 

 

 

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図2. 筒の奥の餌はアライグマやサルでないと取れない

筒の奥にまで手を突っ込む動物は,日本にはアライグマとサルくらいしかいない.そのため,ペットボトル(塩ビ管)の奥に設置した餌がなくなっていたらアライグマかサルが訪問したということがわかる.(この特徴を生かした罠が前肢拘束型捕獲器である.)

 

cf. 前肢拘束型アライグマ捕獲器について

https://satoyaman-raccoon.hatenablog.com/entry/2020/05/17/%E5%89%8D%E8%82%A2%E6%8B%98%E6%9D%9F%E5%9E%8B%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%9E%E6%8D%95%E7%8D%B2%E5%99%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6

 

これは個人的な意見だが,もしこの手法がうまくいくとしたら,

以下のような場面で有効だろう.

・侵入初期の警戒(被害出ないと予算もおりないしね...)

・地域根絶直前の警戒

・罠の設置場所の選定(小さい空間スケールで評価可能)

・アライグマの環境選好性の解明(様々な環境に設置)

 

 

2. 実践!!

 

本当にこんなんで訪問がわかるの?

...となれば実践!!友人をそそのかして餌トラップ法を30個作ってもらった(ありがとう).

図1 のように,木などにぶら下げて地面から少し浮いた形にする.ネズミ等の錯誤防止と,選択性を高めるため(ぶら下がったものいじるためにはより両手を器用に使う必要がある)だろう.

 

とりあえず設置して1週間...

...

...

 

 

 

 

ドン!!

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図3. 破壊された餌トラップ

餌トラップ法が破壊されて中の餌が食われている!!

 

...周りを見渡すと...

 

ドン!!

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図4. 食いつくされた餌の残骸

食いつくされて捨てられた餌+針金が水に浮いていた.

そして,この餌トラップ法の前に据えていたセンサーカメラにはしっかりアライグマが映ってました!!

 

 

.......結果まとめると...

30個のうちいくつかの餌トラップの餌が食われていた!!

ただし,上記写真のようにペットボトルごとぶっ壊して餌を食っているものをあれば,ペットボトルそのままに中身だけ食っているものもある.

 

何個くらい食われたのか,どういう場所で食われたのかについては友人が報告書かましてくれるのでここでは詳細は書きません!!乞うご期待!!私自身期待してます!!

 

 

そして,探しているうちにこんなものも...

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図5. ベコベコになった餌トラップ

ペットボトルだけベコベコになっているが中身が取れていない餌トラップ.

詳細はわからないが,私の予想だとアライグマ以外の動物(タヌキとか?)が餌を食べようとしたんだと思う.カメラとか映ってないのでなんともいえないが,これは「餌トラップ法は選択性がある(タヌキとかには誤反応しない)」という裏付けになるかも!?

 

 

...というわけで,ひとまず大成功だったんではないでしょうか!?

 

正直,1週間じゃ結果は出ないと思っていた.

なんならこの手法自体うまくいくか懐疑的だった.

餌だって臭い強いわけじゃないから見過ごしちゃうかもしれないし.

でも,案外ちゃんと作動するもんですね!!

御見それしました!!

 

今後はこういった手法が広まったり,応用的に活用されたりするといいね!!

私も随時レポートします!!

 

以上

2021.4.25.追記